ThinkPad X2x(X22,X23,X24)を802.11g化する
今回用意したもの
・ThinkPad X22 (2662-9JJ) Win98SE 無線・有線LANモデル
(ttp://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpx221a/tpx221aa.html)
・バッファロー製 無線アクセスポイント WLA-G54
(ttp://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/w/wbr-g54/index.html)
・バッファロー製 PCIバス無線LANボード WLI-PCI-G54用デバイスドライバ
(ttp://buffalo.melcoinc.co.jp/download/driver/lan/wdrv.html)
・ドライバ(工具の方)
・ニッパー
1. アクセスポイントの無線LANモジュールを取り外す
外観からわかる4本のネジを外すと両面カバーとフロントベゼルの3つに分かれる。
基板には802.11gのMini-PCIモジュールが搭載されているので、これを取り外す。
取り外しの際は、モジュール左右に半田付けされているグランド線をニッパー等で切断する必要がある。
また、右上のアンテナコネクタにアンテナ線が2本接続されているので、コネクタを破損しないように取り外す。
(といっても、さほど慎重にならずとも取り外せる。)
2. 無線LANモジュールをThinkPadへ移植する
ThinkPadのキーボードを取り外す。
ThinkPad底面のネジ3本を外すことによって可能になる。
詳細はIBMのPCサポート ヒント集のページで。
(ttp://www-6.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/SYJ0-01E0032)
キーボードを取り外すと、キーボードのあった左上の位置に802.11bとモデムのMini-PCIコンボモジュールが搭載されているので、これを取り外す。
取り外しの際は、モジュール左上に挿さっているモデムケーブルをコネクタから外す必要がある。
また、右上のナイロンタグの下に隠れてアンテナコネクタがあり、そこにアンテナ線が2本接続されているので、アンテナ側コネクタを破損しないように取り外す。
詳細はIBMのPCサポート ヒント集のページで。
(ttp://www-6.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/SYJ0-01E0593)
アクセスポイントから取り外した802.11gのMini-PCIモジュールをThinkPadに取り付ける。
アンテナケーブル2本もモジュールに接続する。
このモジュールにはモデム機能は搭載されていないので、モデムケーブルを接続するコネクタは存在しない。
部品で噛まないよう避けておく。
取り付けが完了したらThinkPadのキーボードを元に戻す。
3. デバイスドライバをインストールする
組み上がったThinkPadの電源を入れる。
OSが起動するとハードウェアウィザードによりMini-PCIモジュールが検出されるので、あらかじめ用意しておいたドライバファイルからデバイスドライバをインストールする。
ドライバファイルは自己解凍形式の書庫になっているので、実行して解凍をする。
解凍した中にCBG54というフォルダがあるので、ハードウェアウィザードでこのフォルダを指定すると自動的にデバイスドライバを選択して適用される。
手動の場合はBUFFALO WLI-PCI-G54 Wireless LAN Adapterが含まれているファイルを選択する。
これで802.11gによる54Mbps無線LANが利用可能になる。
4. 動作
デバイスドライバのインストールが完了すると、デバイスマネージャにはBUFFALO WLI-PCI-G54 Wireless LAN Adapterとして表示される。
一般的な無線LANの設定を行えば、素直にネットワークは確立される。
ThinkPad機能設定で、あたかも標準デバイスのように扱える。
IBM Access Connectionsも普通に利用できる。
(PCカードやUSBタイプのNICなども利用できるのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。)
フレッツ・スクウェアにて速度を計測。
802.11bの理論値以上の値が出ている事がわかる。
主な環境は以下の通り。
・WindowsXP sp1クリーンインストール
・WindowsUpdate全項目適用
・NortonAntiVirus常駐
・MTU等は標準のまま
・WEP、MAC制限、ANY不許可、フレームバースト
・Bフレッツ・ニューファミリー (有線LANで平均65Mbps)
・WAN−Router−AP−PC
ブロードバンドスピードテストにて速度を測定。
速度はフレッツ・スクウェア計測値より落ちたが、それでも10Mbps以上の値が出ている。
補足
今回は元々無線LANを搭載したX2xシリーズを利用したが、非搭載のX2xシリーズの場合はアンテナ周りも搭載されていないとの事なので、アンテナ周りの移植作業でLCD部分を分解する必要になると思われる。
(ttp://www-6.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/SYJ0-01E466C)
また、アンテナ周りを保守部品として手に入れる場合、アンテナモジュール以外に、アンテナ対応のLCDベゼルなどが必要となると思われる。
LCD Misc XGAあたりが必要になるのでは。
(ttp://www-6.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/SYJ0-020E8B1)
さらに、文中でも触れているが、X2x(X22,X23,X24)の内蔵モデム機能はMini-PCIモジュールに実装されている為、モジュール交換すると内蔵モデムが使えなくなる。
X22以前のX2xシリーズ(X20,X21)でも無線LAN化する事は可能だと思われるが、これらモデルでは有線LAN機能がMini-PCIモジュールに実装されている為、モジュール交換すると有線LANも使えなくなる。
また、元々これらモデルには無線LANは用意されていない為、アンテナ周りの交換も必須となるであろう。
注意
無線LANユニットの交換は電波法違反に当たる恐れがある。
それを含め、このページを見て行った行為に対する如何なる損害も責任は負わない。
(2003/10/23)